
留学中にドナウ川に身を投げた19歳の少女、日実。
その死を伝える新聞の小さなベタ記事「邦人男女、ドナウで心中 33歳指揮者と19歳女子大生 ウィーン」がどうしてもひっかるというところから始まります。
そして、この事件の背景と二人の足跡を綴ったのがこの本です。
始めは、「娘はあの男に殺されたんだ」と思っている両親と会い、日本にいたころの日実のまだ幼い性格と千葉と名乗る指揮者の奇行の数々を知る。そして父の浮気や母の二重人格などの家庭の背景を知り、それが日実の自殺とどうつながっていくのか、現地に入って作者が思ったことなど淡々と綴られています。
とてもきれいなお話です。でも19歳というあやうい時期だから起こった事件だと思うんですよね。
ひとつしっくりきません。
要するに虚言,妄想癖の千葉という男に、ルーマニアという19歳の女の子が一人で生きていくには厳しすぎる環境の中で頼ってしまい、どうにもならず、行き詰まってしまった。
行き詰まった原因が、親の気持ちと、日実の気持ちのすれ違い。周りの人も日実の力になりたいとしながら、うまくかみ合わず結果的には間に合わなかった。
そこに日実の千葉のことを何もかも許した上での『母親が子どもに注ぐ愛』のように変わっていった思いがあった。ということになるのかな・・・私ってロマンチストじゃないのかも。いや、ノンフィクションというので理性が先にはたらいたのかもしれません。
今回は全部書いてしまいました。すみません。
後日談。でもどうにも日実の純粋さに惹かれています。