
社会的にみれば不器用な生き方しかできないセイジと竜二の話。
ミュージシャンらしいとらえ方をしている、どちらも人の内面を深く考えさせられるような作品でした。
セイジのやさしさは翔子さんがいうように、「陸の魚、この人間社会では上手にやっていけるような性質ではない」ものである。その彼が両親を目の前で惨殺されて、心を閉ざしてしまったりつ子ちゃんにしてあげたこと。うまくいったから良かったようなものだけど、りつ子ちゃんの受け止め方が心に残った。
「だって、私、神様を目の前でみたんだもの」
年齢的にこういう受け止め方をするのは、ちょっと無理があるかなとも思うけど、いい話だった。
私は「竜二」のほうが好き。40にもなって定職にもつかず、路上でギターを弾いて歌ったり、カードローンで借金をしたりと、どうしようもない奴なんです。でも、その内面を読んでいくと「どうにかしようと思っても、どうにもできなくて苦しんでいる」それを、周りの人がどうとらえるか。とりわけ母親の最後の言葉に感動しました。
もし我が子がそうなったとき、どうとらえるか問いかけられてる気がします。
ただ、最近はこういう若者が増え、その原因が何であるのか考えたとき、社会の変化だけでなく、親のありようだとも思うのですよね。だからどんな対処がいいのか、育て方がいいのかはとても気になるところです。