
元エリート銀行員だった牧村伸郎は、上司へのたった一言でキャリアを閉ざされ、自ら退社する。プライドなどもあり公認会計士を目指していたがうまくいかず、タクシー運転手となるが、これもなかなかうまくいかない。仕事に疲れて帰ってくる、気づけば妻や娘や息子と会話が成立しなくなっていた。
伸郎はもう一度人生をやり直せたら・・・と夢想する日々の中で、元彼女のこと、入社したかった会社など訪ねてみる。「もう一度やり直せたら・…」という妄想はふくらむばかりで、荻原さんらしい笑いさえさそってしまう。でも、私も時々思うよ、「あ?あの頃に戻りたい」「あのときこうしていたらって」って。
前半は情けない男のつぶやきみたいな感じで、
後半はすっかり荻原さんのペースでした。
このお話は、たぶん私たちの年齢(中高年)にしか受けないかもしれないなぁ
なんだか、共感する部分が多くて、自分のことのようで…
「あの日にドライブ」してみるのも案外いい解決法なのかもしれない。
曲がるべき道を、何度も曲がり損ねても、迷っても、遠回りしても、今の私の状況を大切にしよう。
その曲がり角をまがったら、何があるのかそう考えて前に進むことにしよう。そう思いました。
テーマ:読書感想文
ジャンル:小説・文学