
「火怨」を読んだ時からこの「炎立つ」を読もうと思っていたんだけど、長いので躊躇してました。でも、読み出したら「火怨」の時より読みやすくて、一晩で一気に…
アテルイと坂上田村麻呂の戦が終わって250年。平将門の乱が平定されておよそ100年後の陸奥の戦です。朝廷はこの頃も、蝦夷(えみし)たちを俘囚(ふしゅう)と侮るばかりです。その中で力をつけてきたのが安部頼良、その背後にアラハバキを祀る物部氏一族。自分達の暮らしを守るために、陸奥の平穏を願うために戦がおこります。
朝廷側は陸奥守に金に女に欲の深い藤原登任、そばに仕える藤原経清、この経清がいい男なんです。それに安部貞任はアテルイを守護神にもつ男、これだけ書くとあの「火怨」が思い起こされて、ますます話にのめりこんでしまいます。
巻の壱はまだ和議を前提とした戦。これからどう発展していくのでしょうか…
そう、「火怨」を読んだからこの話いっそう面白いのかもしれません。